2003.11.23UP

2003年11月25日(火)

美園小学校第1学年「総合的な学習の時間」全体計画案〜「からの系統」,「への系統」〜

美園小学校1年2組 柳谷直明

1 全体計画(案)の試み

 総合的な学習は教科ではない。道徳でもない。特別活動でもない。「教育活動」としての内容例,「ねらい」,「課題」例,「名称」,「配慮事項」,授業時数などが示された。

 学校教育法施行規則第24条にこうある。

 

  小学校の教育課程は,国語,社会,算数,理科,生活,音楽,図画工作,家庭及び体育の各教科(以下本節中「各教科」という。),道徳,特別活動並びに総合的な学習の時間によって編成するものとする。

 

これを見ても分かるように「総合的な学習の時間」が「各教科,道徳,特別活動」と並べられている。つまり総合的な学習は各教科,道徳,特別活動と並べて計画するものである。授業時数ではこうなる。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 第1学年の授業時数ではこうなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 学校教育法施行規則(別表第1)では第1学年に「総合的な学習の時間」はない。しかし本校では生活科の年間授業時数(102時間)のうち,20時間を「総合的な学習の時間」に充てている。(詳しい理由を理解していないが)3年生からの総合的な学習に系統化させることと低学年も一緒に活動する総合的な学習場面での時数確保のためなのだろう。

これらが授業時数での全体像である。この他に題材(又は教材)での全体計画,言語活動(又は言語能力)での全体計画が必要である。

なぜ言語活動(又は言語能力)の全体計画が必要なのか。小学校学習指導要領「第5 指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項」にこうある。

 

 学校生活全体を通して,言語に対する関心や理解を深め,言語環境を整え,児童の言語活動が適正に行われるようにすること。

 

 このように「言語活動」を適正にするのは国語科だけではなく「学校生活全体」で行われることなのである。例えば全校集会で,メモを見ながら行うスピーチは適正とは言えない。その場合国語科はもちろん,国語科以外でも指導して適正にする必要がある。

 今年度,1年生で取り組んできた総合的な学習の全体計画(案)をこうした。

 

 第1学年総合的な学習の時間の全体計画(案)

各教科,道徳,特別活動,総合的な学習「からの系統」

総合的な学習の時間

各教科,道徳,特別活動,総合的な学習「への系統」

目標

題材(又は教材)

活動又は言語活動(評価基準)

 

パソコンでお絵かきすることがきる。

情報/パソコンを使おう(5時間)

パソコン操作(起動,終了,保存など)

次年度以降へ

情報収集。情報整理。情報保存。

・国語/説明文/発表場面

・国語/話し合い/セッション

・特別活動/自由研究発表会

・生活/観察メモ

・算数/百までの数

・図画工作/絵

自分で課題を決め,調査し,まとめて,発表することができる。

消費/これこそ買った方がよい(5時間+他教科5時間)

関心・意欲・態度(積極性)

読む(音読力)

話す(話す速度,話す音量)

聞く(よく聴く)

訊く(質問)

書く(情報メモ,発表メモ)

つくる(ポスターなど)

・国語/話すこと・聞くこと

・国語/書くこと

・国語/読むこと

・算数/数量

・生活/お店ごっこ

・図画工作/ポスター

以下,省略。

以下,省略。

平和/憲法,戦争(3時間)

以下,省略。

以下,省略。

 

 

祭り/美園まつり(5時間)

 

 

 

 

福祉/地域清掃(2時間)

 

 

*ここでは特に,学年で設定した題材としての「消費」について詳しく書いた。 

総合的な学習の時間「から系統」,総合的な学習の時間「への系統」で全体計画(案)を試みた。

2 学習指導案「消費」

2−1 目標

自分で課題を決め,調査し,まとめて,発表することができる。

2−2 題材名

これこそ買った方がよい

2−3 必要な学力

@関心・意欲・態度 A読む(音読力) B話す(話す速度,話す音量) C聞く(よく聴く) D訊く(質問) E書く(情報メモ,発表メモ) Fつくる(ポスターなど)

2−4 からの系統

        国語/説明文/発表場面

        国語/話し合い/うさちゃんセッション

        算数/百までの数

        生活/観察メモ

        図画工作/絵

        特別活動/自由研究発表会

2−5 への系統

        国語/話すこと・聞くこと/読書PR

        国語/書くこと/読書メモ

        国語/読むこと/説明文

        算数/数量

        生活/お店屋さんごっこ

        図画工作/ポスター

2−6 指導過程( )内の授業時数を扱う。

1時間目(生活) スーパーマーケットで学習することを1つ決める。

2時間目(生活) 『りょーゆー』へ行く。

3時間目(生活) スーパーマーケットでの問いを考える。(『蝸牛』資料1)

4時間目(総合) 学級全員の問いから,自分の課題を1つだけ決める。(資料2)

5時間目(国語)調査方法や発表方法を決めて練習する。(自作マスターカード1ためし「モデルスピーチの音読を通し,適正な速度や音量を育てる」資料3)

6時間目(国語) インタビューの練習をする。(自作「プランシート」資料4)

7−8時間目(総合) 『NOVA』へ見学に行く。主に観察,インタビューで行う。

9時間目(総合) 発表メモを書く。メモを見ないで発表できるように練習する。(自作マスターカード2本番「モデルスピーチの音読を通し,適正な速度や音量を育てる」資料5)

本時,10時間目(総合) 課題解決を発表し合う。感想や意見を交換し合う(セッションさせる)。

2−7 学習形態

課題を見付ける段階では,主に個人活動−個人に問いを持たせる。学級全体で話し合わせる。個人で課題を決定する。

課題を解決する段階では,主にグループ活動−類似した課題ごとにグループに分けた。(資料2参照)

課題解決を交流する段階では,主に学級活動−グループごとに発表し全体でセッション。

2−8 本時(10時間目)

(1)目標