2007年4月アップ

新1年生担任日記(2005年度柳谷直明の実践) 

4月1日(金)出勤前

新年度開始 

今日から新年度が始まった。今日一日で大方の仕事を終える。そして土・日は別の仕事をする。楽しみだ。

 

1日(金)2005年度第1日目

新年度準備のための引き継ぎ,学級編成を29日に行った。午前中いっぱいかかった。そして新年度の仕事の進め方を確かめてから,年度末業務に取り組んだ。

30日に指導要録完成,31日に教室移動,清掃を完成した。激務の一週間だった。31日で諸帳簿を提出し,教室移動を完了した。昨日の朝からは新年度準備に入っている。

 

感想―2004年度は2年生を担任していた。37名の学級だった。37名分の指導揚力を1日で終え,教室移動を一日で終えたなどとは信じられない。2006年度は27名の2年生を担任していた。それなのに,教室移動に3日,要録完成に3日くらいかかった。始業式に何とか間に合った。

 

学年打合せで,新年度業務の分担,当面の仕事確認を行った,そして,学年通信検討を行った。学年通信検討では私はいくつかの模擬授業を行った。全てで10分間程度である。楽しかったかどうかはわからないが,少しは参考にして戴けただろう。ワークの指導を次回の学年打合せへの宿題とした。学年打ち合わせに90分くらいかかった。学年通信第1号の検討に時間がかかったので仕方がないだろう。せめて50分間での終了を目指したい。その後,終日新年度準備に追われた。ほぼ予定通り進んだ。あとは4日月曜日で完了させる。学年団の先生方がよく協力して下さるので,実にスムーズに準備が進んだ。最強の学年団である。

 

釜谷いずみ氏,齋藤浩子氏との学年団だった。この学年で本を出版するなど,このときには考えもしなかった。「ワークの指導」とは何かよく分からない。たぶん,『平仮名・片仮名ワーク』の指導法だろう。このように1回目の学年打合せで模擬授業をし合い,学び合っていた。

2007年度も1回目の学年打合せで私が模擬授業を行った。『確かな国語学力(基礎・基本)を育てるマスターカード 小学3年生用』(野口芳宏監修,柳谷直明・「鍛える国語教室」研究会空知ゼミ著,200510月)の『読書PRスピーチ』と自作の『漢字マスターカード』の授業である。新年度3日目に行う公開研究授業の練習である。

学年2人の先生にスピーチをして貰った。上手に出来ていた。このような指導をしてきていると知って貰うために,学年全体の82名に私が指導する。ついでなので,校内での公開授業にした。

学年の教師間の指導法交流をどんどん行う必要がある。

 

2日(土) 

終日新年度業務 

他の仕事をしようと考えていた。しかし結局,新年度業務を行っていた。

TTを入れるので時間割の基本形作成がややこしかった。でも作った。これを叩き台として月曜日に学年の先生へ提案する。(来週の時間割ではなく,一年間通して使える基本形である。)

 

2005年度基本時間割

 

家庭訪問の予定も作った。水曜日に学年打ち合わせがあるので,次週の学年通信もだいたい書いた。これくらいの仕事で一日が終わるとは何ということだ。まあ,仕方がないだろう。激務だった一週間の疲労が蓄積している。

一週間どころか,3月の始め辺りから全く休んでいないような気がする。それだけ働けるのが有難い。

学級通信の名前がすっきり決まらない。「仲間」にしようか。「輝き」にしようか。「輝石」にしようか。

今年度はこれまでの教員生活の経験全てを凝縮する。今日の仕事はこのくらいにしておこう。

 

6日(水) 

入学式 

いよいよ入学式だ。これまで毎日準備を続けてきた。楽しみだ。こんなことを通信に書いた。

学級通信名をあれこれ考えた。未来に生きる大切な子供達なので未来にしようかと思った。一人一人が輝いてほしいので輝石にしようかとも思った。出合いが大切なので出合いにしようかとも思った。

しかしみんなに一番望みたいことは素直さである。素直な子は伸びる。スポーツの世界でも素直に練習する人は伸びるそうだ。文句を言っていやいや練習している人はよく伸びないだろう。

言われたことを素直にする人はぐんぐん伸びる。みんなは素直に真っ直ぐ伸びてほしい。そんな願い込めて通信名を決めた。

学級通信「素直」だ。少し冴えないかなあ。

昨日まで多くの先生方がみんなの入学式のために大忙しで働いて下さった。先生も毎日遅くまで,今日の準備を進めて来た。お父さんやお母さん方も今日まで,みんなのためにたくさんのことをして下さっただろう。そういう多くの人に守られて今日を迎えることができた。多くの方に感謝しよう。

そこで家へ帰ったらお父さんやお母さんに「有難う」と言おう。今日,先生とお別れするときも「先生さようなら」だけでなく,「先生有難うございました。さようなら」と言おう。先生も「有難う,さようなら」と言う。

有難うという言葉は魔法の言葉だ。言われると嬉しくなる。「有難うございます」という感謝の心を毎日持ちたいものだ。

車に気をつける。知らない人について行かない。こう頭の中で言い続けよう。よい大人はたくさんいる。しかし悪い大人もいる。知らない人に声を掛けられても絶対について行ってはいけない。

更に,通学中に人の家の土地に入ってはいけない。もちろん人のものを盗んではいけない。気を付けよう。

入学式後に一人一人の名前を呼びたい。今日まで学級が決まってから,みんなの名前を何十回と呼んだ。そして覚えた。しかし保護者の前だと緊張して忘れてしまうかもしれない。今日は先生が一人一人の名前をきちんといえるかどうかのテストの日だ。先生もこのように毎日お勉強している。

明日から楽しいお勉強をする。楽しみに学校へいらっしゃい。明日は学校探検をする。休み時間にはみんなで遊ぶよ。先生が楽しい遊びを教えてあげよう。楽しみにね。毎日元気に,笑顔で登校しよう。

この通信に書いたことを話したいところだが,長いので無理かな。

子どもにとって一生に一度の入学式だ。一つも問題がないように取り組みたい。楽しみだ。 

 

7日(木)

次のような通信を書く。

1 優しいね 

下校指導で,遠くから通う子と一緒に歩いた。一番後ろを歩いていた1組の女子が転んだ。そして泣いた。先生はその子を抱っこして学校へもどった。

「先生,僕達ここで待っているよ。」

誰が言った。すごく優しい子ども達だ。

保健室へ行って,手当てをして戴いた。待っている子どもと怪我した子どもと一緒に帰しかった。

手当てをして戴いてから,抱っこし,待っている子ども達の所へ走った。途中で疲れた。だから,おんぶにした。みんなは先生を心配して,こう言った。

「大丈夫。」

ほんとに優しいんだよな。

ドラマはまだ続く。横断歩道を歩いているときに,2組の男子が泣いた。すぐに先生は走って行って,手をつないだ。

「大丈夫だよ。」

すると先を歩いていたこう君も走ってきた。

「一緒に行こうね。大丈夫だよ。」

「こう君,優しいね。」

先生は怪我をしていた女子も心配だったので,こう君に助けられた。優しい心に「有難う」と思ったよ。

優しい心が育っているね。

 

2 トイレが楽しかった 

午後,先生方で熱心に授業会議をしていた。来週から指導する『平仮名マスターカード』の使い方を研究していた。そこへ児童館の書類を持って,2組の保護者の方がいらっしゃった。そして,こうおっしゃった。

「トイレの使い方を教えて下さり,有難うございました。」

先生は初めて美園小学校の女子トイレへ入った。以前一年生を指導したときには,女子は女の先生にお願いしていたからだ。

今回は男子トイレと女子トイレの両方の使い方を先生が指導した。

「先生が使い方を見せてくださって,楽しかったと言っていました。」

先生は和式便座の座り方を指導しただけである。

「座って御覧。合格。」

「座って御覧。もう少し前。」

こう指導した。女子の最初の子はこう言った。

「ずぼんを脱ぐのですか。」

「脱ぐわけないでしょう。」

みんなで大笑いしたトイレ指導だった。

足の位置を真ん中より後ろにする子が多かった。便座の後ろの山が出来る。

 

3 丁寧な挨拶だ 

職員室へみんなで入った。 

「職員室へ入るときには『失礼します。』と言う。はい。」

「失礼します。」

こう言って職員室の柳谷先生の机を教えた。柳谷先生の机の上はきれいだっただろう。

問題は出るときだ。

「失礼しました。」

こう言う。それはよい。問題は姿勢である。先生方に背を向けたまま言う子が多い。これではいけない。

先生方を見て,挨拶して出る。これが正しい出方である。

校長室へ入った。校長先生がいらっしゃらなかったので,ソファーに座ってから出た。

事務室へ入った。横先生と原先生がお仕事をされていた。

「よろしくお願いします。」

きちんと挨拶できた。

「出るときはどうするの。」

「失礼しました。」

それから体育館へ行って遊んだ。1年生の2日目で挨拶を指導した。言語感覚の指導である。

 

4 きちんとしている 

「てはおひざ。」

こう言うと全員が手をひざの上にきちんと置いた。幼稚園や保育園の指導がきちんとしている証拠だ。

でもりく君は机を倒してしまった。ひざの上の手を上に挙げたからか。

プリントを配るとき,後ろの子にプリントを渡せない子がいた。自分の分1枚をとって,後ろの子に渡すのが出来なかった。でも,そう教えると渡すことができた。

「学校の楽しかったことを親に話せない。」

「有難うって親に言えない。」

こう言っていた男子数名が気になった。学校で有ったことを思い出し,親に聴いて貰おうね。元気できちんとしている2組の子ども達だ。

 

今日有ったことを親に話す。こんな宿題を出していた。2003年度は平仮名の習熟のために,毎日プリントの宿題を出していた。2005年度は学校で学んだことを親に話す宿題を出していた。

 

5 先生大好き 

「もう帰るの。帰りたくない。」

こう言う子が何人かいたね。早速昨日,先生にお手紙を書いてくれた子がいる。

「やなぎやせんせいへ,これからも,いろんなことおしえてください。よろしくおねがいします。あやより☆ミ」(この最後の星は,柳谷先生が学年通信に書いたものと一緒だった。不思議。)

「いち年かんおせわになります。」

スーパー1年生だ。漢字を使っている。句点,読点がある。敬体を使っている。何と賢い子なのだろうと思った。

漢字を使っているところなんかは,柳谷先生が1年生でも習っていない漢字でも使うという噂されているのかなと思った。

柳谷先生は1年生でも漢字をどんどん使う。だから柳谷先生の教え子は漢字テストでいつも100点だ。

りく君がこう言った。

「柳谷先生は人気があるね。僕も柳谷先生が大好きだよ。」

「有難う。先生も大好きだよ。」

1年生の先生は幸せだよ。 

 

6 書ききれない 

書いても書いても楽しかった一日のことを書ききれない。鞄に下校のシールを貼った。トイレ指導をした。水飲みの蛇口の使い方を指導した。図書室で本を借りた。連絡帳やプリントを置く場所を指導した。先生のエプロンシアターを少し見せた。プレールーム下校方面に別れる練習をした。

「きちんと色を覚えた子はプレールームへ行ってよい。」

「先生,プレールームってどこですか。」

「さっき通ったよ。」

「ピアノがあったとこだよ。」

誰かがこう教えてくれていた。楽しい楽しい一日はすぐに終わった。

みんなが帰った後,3年生が1年生の教室を先生と一緒に掃除してくれたんだよ。有難いね。

今日は学校で初めて文字を書く。 

 

 10日(日) 

1年生の3日目 

職員室で仕事をしていた。8時頃に教室へ行った。教室の前で何人かが立っていた。

「ここでいいんだよね。」

1年2組の教室が暗かったので,教室へ入らずに廊下にいた。

「そうだよ,2組だよ。」

そう言って教室を開けた。1年生の担任は子どもより先に教室にいなくてはいけない。

「先生,教科書ってどれ。」

「連絡袋をどこに入れるの。」

いちいち訊いてくる。ほんとに知らないんだ。楽しくなる。

職員朝会で教室を開ける。6年生が子ども達が少しの間,お世話をしてくれる。有難い。

朝会が終わり,教室へ行く。みんなきちんと座っている。それが一番気になる。

6年生に,全員でお礼を言った。

「有難う。」

挨拶係と号令係を決めた。

「号令係は一年生にできないよね。」

「うんうん,できない。」

りく君がこう言う。

「やります。」

りかちゃんがこう言う。

「できます。やります。」

このように進んで働く子は力が付くよ。りかちゃんを挨拶係にした。

「起立,おはようございます。着席。」

「できます。」

こう言ったあやちゃんを号令係にした。できないと思ったら何にもできない。できないかなと思っても挑戦することが大切だ。その後,プリントを配り,自分の名前を書かせた。

プリントを配るのに30分くらいかかった。プリントが10枚くらいあったからだ。春はプリントが多い。プリントをたたんで連絡袋に入れることができない子,自分の分を取って後ろの子へ渡せない子がいた。

「初めての名前」をみんな書けた。一人一人の鉛筆の持ち方を見た。5人が気になった。そのうちの1人はかなり変な持ち方をしていた。

「鉛筆を人差し指と親指で挟む。中指を鉛筆の下にする。」

これだけを覚えていると,だいたいきちんと持てる。正しく持つよい癖を身に付けよう。家でも鉛筆,箸の持ち方を見て貰おう。

今日は丁寧に書くとだけを指導した。

「ふうかだけでいいの。」

名字と名前を書きなさいと言ったが,名前だけを書いていた。でも,横書きではきちんと書いていたね。縦と横の2枚書かせた。

優秀だ。全員が自分の名前を書いた。今度は先生が全員の名前の手本を書いてあげる。それを見て,もっと上手に名前を書こう。

 

これは必要である。結局,やらないで終わった。1年生の先生は,全員の名前の手本を書いてあげよう。

 

休み時間には,体育館で一緒に遊んだ。先生が1,2年生を教えていた3年生が一緒に楽しそうに遊んでくれた。かわいい3年生だろう。

それから教室へ戻り,帰る準備をさせた。蛇口を上にしたまま水を出して水浸しにする子,隣の女の子に意地悪する子がいた。

水が床に広がったとき,ひなちゃんやみさちゃんが進んで床を拭いてくれた。優しい子達だ。

背の順一列を作るとき,男子数名が戦いごっこをしていた。女子で騒いでいる子も少しいた。

1年生の3日目は普段のみんなの姿を少し見えたよ。

下校のときに走っていって迷子になった子もいる。集団で帰るときでなくても,危ないから走るなと言っていた。前に転んで顔を切った子が過去にいるよ。

先生は追いかけて走り回り,へとへとになった。

入学式の写真を廊下に貼った。かわいいかわいい2組のみんなが写っている。先生はあまり写っていないなあ。明日からは給食だ。

 

11日(月) 

1年生の4日目 

1 漢字を教えた 

3時間目の国語の時間,国語教科書を読んだ。(忘れた子が一人いた。お母さん,忘れさせないように。)

表紙である。国語教科書の表紙には教科書の名前が書いてある。「ひろがる ことば」だ。

更によく見ると「しょうがくこくご1上」と書いてある。

「ひろがる ことば」を何人かに読ませると,きちんと読めた。ついでに五十音図で第1回目の読みテストをした。一人一音ずつ読ませた。全員読めた。

近いうちに五十音読みテストをする。今年の1年生は全員が読めそうだ。

文字を書くのは名前くらいでよいが,文字を読むことは入学前にできた方がよい。その後,漢字を教えた。

「上」を板書した。

「読める。」

「うえ。」

〇〇〇さんが読めた。

「漢字にはいくつかの読み方がある。まずこの漢字を覚えよう。文字を書く方の手を挙げる。うえ,いち,にい,さん。全員起立。手を挙げる。うえ,いち,にい,さん」

一緒に手を挙げて空に指で「上」を書かかせた。これを空書きという。

「隣の子に『見て頂戴。』と言う。『合ってるよ。』と言われたら座る。始め。」

始めはきょとんとしていたが,少しずつ座った。

「うえと読む他にも読み方がある。」

上がると板書した。

「うえがる。」

「違う。」

読めないので教えた。

「あがる。」

「こう書くと別の読み方になる。」

「上下」と板書した。

「うえした。」

〇〇〇さんが読んだ。

「そう,うえしたとも読むんだけど,正しくは他の読み方がある。」

「じょうげ。」

誰かが読んだ。

「そうだ,じょうげとよむ。教科書は上と下の2冊に分かれている。だから上と書いてある。」

「ではもう一度,みんなで国語教科書の表紙を読む。はい。」

「ひろがることば,しょうがくこくご1上」

よく読めた。初めての漢字指導だった。

 

2 周りを見る

朝,先生は教室にいた。

「教科書って,どれですか。」

「お道具箱はどこですか。」

「体育帽はどこですか。」

「連絡袋はどこですか。」

次から次へと訊いてくる。先生はこう言う。

「周りを見て御覧。」

体育帽やとび縄は廊下にかかっている。お道具箱は机に入っている。3か目に入れる所を教えた。

一度教えたことをなるべく2回と教えない。先生が何度も同じことを教えると,きちんと話しを聴かない子になってしまうからだ。

自分で考えて思い出し,どうしてもわからないときには訊きにおいで。または友達に訊くとよい。

 

3 泣く子が少ない

「教室がわからない。」

「並ぶ所がわからない。」

こうして泣いている子が以前にはいた。

今年は下校のときに泣いている子を一度見ただけだ。みんなが先に行って,不安になったんだね。

女子が活発だ。発言もするが,体も動く。じっと座っていられない子が2人くらいいる。でも立ち歩くわけではないので,心配ないだろう。

男子は話を聴いていない(わかっていない)子が数名いるな。

 

4 1回目のスピーチ指導 

1時間目の国語はスピーチをさせた。その前に玄関へ並んで行った。靴の入れ方が気になる子がいたからだ。下駄箱を見ると学級の状態が分かると言われる。靴をきちんと揃えて入れる子は賢くなる子だ。

玄関で靴を脱ぐときに,つま先を入り口の方へ向けて脱ぐ子はきちんとしている。玄関の靴のぬぎ方を見ると,その家庭がわかると言われる。

靴の仕舞い方の指導をした。つま先から下駄箱に入れていない子がいたからだ。

帽子のかけ方,とび縄のかけ方を指導した。

上着の上に帽子をかけているとすぐに落ちる。だから,下の小さなフックに体育帽と跳び縄をかける。

上のフックに上着や帽子をかける。下に落ちているのはだらしない。

だらしないといえば,はんかちを持ってきていない子が2人いた。手を拭くために,はんかちとちり紙をずぼんのぽけっとに入れておく。

こんな指導をしてから教室へ戻った。

あやさんが号令をかけた。先生が言った。

「私の名前は柳谷直明です。好きな食べ物は。」

こう考えているとりく君が言った。

「ごりら。」

「ごりらは食べられるの。」

「好きな食べ物はお寿司。よろしくお願いします。」

「私の名前は柳谷直明です。これを文と言う。好きな食べ物はお寿司です。これも。」

「文。」

「そう,文だ。よろしくお願いします。これも。」

「文。」

「3つあったので,3文だ。みんなも先生と同じように3文で話ができるかなあ。1年生だからできないよね。」

「できない,できない。」

すぐ,「できない」と言う子がいる。できないと思っていたら何にもできないよ。

6人が進んで前に出て来て,3文できちんと話した。

みんなの前で話すことをスピーチと言う。誰が話したかを聴いていた子に質問した。だいたい覚えていた子が2人くらいしかいなかった。

聴いて覚えることがいちばん大切な学習だ。毎日6人ずつスピーチをしていこう。まずは3文でよい。

「今日は先生の『素直』(学級通信)はない。」

「どうして,みんな素直じゃないから。」

「違うよ,みんな素直だよ。」

こんな発言が飛んだ。そういえば,『素直』という通信の名前をどうして付けたかを2日目に尋ねたときにこう言っていたね。

「みんなが素直だから素直って名前になったんでしょう。」

今日も楽しい一日だった。

 

13日(水) 

1年生5日目の指導

8時に出勤する。子ども達はすでに学校へ来ていた。1年生担任は子どもより先に教室へ居なくてはいけないと思ってはいるが,疲れて起きられなかった。

1時間目は国語である。平仮名プリントを配った。「四月十二日」という日付を指導した。四の漢字を書けない子が多かった。

漢字指導は片仮名指導の後に行った方がよい。しかし,ついでなので漢字も指導している。全員が書いた。

指導法は昨日と同様だ。

最初は黒板に「四」を小さく書いて指導していたが,曲がり方を間違う子がいたので,黒板の真ん中に大きく書いた。下から上,右から左に絶対に書かないと指導した。左利きの子は右から左へ間違いやすい。特に「四」とか「口」の最後の画を右から書く子がいるので要注意である。1年生初期の漢字指導では漢字を板書した方がよい。

そして,名前を書かせたら1時間目が終わった。プリントを配る前に少し話をしていたのがよくなかった。気を抜くと,学力を形成しない授業になる。日付と名前だけで一時間ならば,話にならない。

2時間目は音楽である。学年合同の音楽を指導した。これは楽しい授業だった。CDの伴奏で,みんなで楽しく歌を歌った。

3時間目は『平仮名・片仮名マスターカード』の続きをさせた。「空書き,なぞり書き」を指でさせる。そして,鉛筆で「なぞり書き」をさせる。「空書き」を相互評価させる。相互評価では,相手の後ろから見させた方がよい。

 

『確かな国語学力(基礎・基本)を育てるマスターカード 平仮名・片仮名ワーク』(野口芳宏監修,柳谷直明・「鍛える国語教室」研究会空知ゼミ著,200510月)を使った。このときはまだ校正していた。全8冊の校正を新年度の指導と併せて行っていた。そこで,子ども達が使用したのは,完成前のゲラ刷りである。ゲラ刷りを使って指導していたので,保護者から「ここに書かれているメモは何ですか。」と質問された。『国語学力マスターカード』を使って育てた日本初の子ども達である。

 

覚えるまで鉛筆を持たせないことがポイントだ。プリントは保護者に綴じて戴こう。そしてあとで,もう一度学校へ持って来て戴こう。

 

こう考えていたが,結局は持って来て戴かなかった。綴じている物を一度学校へ持ってきて貰うと,保護者もきちんとプリンをと整理して下さるだろう。そうして貰った方がよい。

 

「く」のつく言葉を読んで書いていく。最後に目隠し道場で合格だ。

3時間目で1枚を終えた。1枚のプリントに2時間かかったことになる。遅すぎる。

明日は参観日である。1時間で2枚に挑戦させよう。それを家庭で綴じて保管することを保護者に依頼する。

4時間目は生活である。生活では3文の自己紹介をさせた。そして名前覚えゲームをさせた。ゲームでの動きはよくなってきた。

給食中に泣いている子がいた。嫌いなものがあったようだ。

全部食べなさいとは言っていない。食べられない物は残させている。ただし嫌いなのもでもできるだけ食べようと言っている。少ししたら落ち着いた。

今日は一人が欠席した。早速家庭訪問をすると,お母さんと一緒に居たかったと言っていた。

 

13日(水)

第1回目の授業参観,保護者会 

1 『平仮名マスターカード』の指導法

1年生の1学期では,平仮名指導がかなりの時間を占める。したがって,保護者にも協力して戴く必要がある。そこで,『平仮名マスターカード』の指導法を公開した。

前日は「く」の指導を行った。1枚の指導に2時間以上かかった。今日は1時間で1枚を終える。2枚目は「ぐ」の指導である。

『平仮名マスターカード』では,「く」の次に「ぐ」を指導する系統になっている。

次の指導系統である。

 

1 く /2 ぐ /3 し /4 じ /5 つ /6 づ /7 て /8 で / 9 へ /10 べ /11 ぺ /12 の /13 ひ /14 び /15 ぴ /16 ん /17 ろ /18 る /19 そ /20 ぞ /21 い /22 う /23 こ /24 ご /25 り /26 と /27 ど /28 ら /29 よ /30 え /31 す /32 ず /33 ち /34 ぢ /35 み /36 ゆ /37 め /38 ぬ /39 ね /40 れ /41 わ /42 に /43 け /44 げ /45 さ /46 ざ /47 か /48 が /49 あ /50 お /51 せ /52 ぜ /53 は /54 ば /55 ぱ /56 ま /57 を /58 や /59 む /60 も /61 た /62 だ /63 き /64 ぎ /65 ほ /66 ぼ /67 ぽ /68 な /69 ふ /70 ぶ /71 ぷ

 

A4の表裏印刷で用意している。前日は裏の指導が上手く行かなかった。だから,裏を先に指導した。

 

2 児童の実態から授業を始める

今日は武器を持ってきた。

全員が黒板を見る。一文字だけを書ける小黒板を黒板に貼った。これがたくさん有る。

 

昨日書いた平仮名は何。

「く」です。

今日は「ぐ」を学習する。小黒板に「ぐ」を板書した。

さおちゃん,前へ出ていらっしゃい。上手に書く。

 

小黒板に書かせようとした。すると,始点が中央の線上だったので右の方へ移動させた。十字リーダーを意識できないのだろ。十字リーダーで分けられた4つの部屋のどこから書くかを意識させるとよい。

ここから始める。横の線にぶつかった。そこで曲げる。

 

やや開きが狭いが,書けた。

よし,昨日の「く」より上手になった。拍手。

 

3 教材配付を焦らす

ではプリントをあげようかな。このプリントには,名前が有る。学級通信『キラキラ』に書いておいた。

誰も答えない。

 

『平仮名マスターカード』

『平仮名マスターカード』

 

これはね,先生が作った教材なんだよ。(正しくは先生の仲間が書いた教材)だから大切なんだよな。あげようかな,どうしようかな。

頂戴!

ではね,鉛筆をきちんと持っている子にあげる。鉛筆を正しく持っていらっしゃい。

返事なし。やり直し。鉛筆を正しく持っていらっしゃい。

はい。

私,私。

きちんと並ぶ。

 

鉛筆の持ち方を評価した。きちんと持っていない子は,持ち方を指導してからプリントを渡した。このように鉛筆の持ち方を毎日評価する。

横から入ってきて,きちんと並ばない子がいた。

 

きちんと並びなさい。先生は細かいから,きちんと並ばないとうるさいんだよ。

こう風ちゃんに言った。風ちゃんが前日,私に言っていたからである。

風ちゃんは言った。

私が言ったんではありません。お母さんが言ったんです。(笑)

お母さんも苦笑していた。

 

貰った子は名前,日付を書いておきなさい。

全員が名前や日付を書くのを待っていると,それだけで15分くらいかかる。授業が進まない。そこで,全員が書くのを待たない。平仮名を指導するのが目的である。名前を書いていなくても,全員にプリントを配り終えたら次へ進ませる。これが,進むのが速い子を遊ばせないポイントである。

 

4 向上的変容を自覚させる

3人くらい鉛筆の持ち方が少しよくなかった。しかし前日よりはよくなった。まだ中指が鉛筆の下になっていない。

ひなちゃんの持ち方が特によくなった。ただし書いているときにはもとの自分の持ち方に戻るので,家庭でも注意して見て戴きたい。

ひなちゃん,持ち方上手になったね。お家で練習したの。

はい。

にこりと笑って,小さい声で返事をしていた。

 

5 「ぐ」1つを全員に書かせる

鉛筆を置く。

全員を評価し,一つのことに集中させて授業を進める。これを「全員参加」と言う。落ちこぼさない授業である。

 

今日は裏から学習する。ここに「ぐ」を書く。(用意していた拡大版で説明した。一番左の四角を指示棒で指した。)

 

ぐぐぐぐぐ。何回言った。

5回。

賢い。よく聴いていた。ぐぐぐぐ。

4回。

すばらしい。ここは「ぐ」だけを練習する所だ。

 

(その右横を指して)昨日,ここに「くくくく」と書いていた子がいる。ここは「ぐ」を練習する所ではない。「ぐ」がつく言葉を書く所だ。例えば,ぐりとぐら。読んだことある子。(手を挙げていない子が数名いた。驚いた。)

 

最後に,ここは何か。目隠しで書く所だ。

 

(左を指し)「ぐ」を一つ書いたら持っておいで。

やり直し。「ぐ」を一つ書いたら持っておいで。

はい。

 

 返事が定着するのには時間がかかる。定着しても,休み明けには忘れている。だから,何度も指導する必要がある。

 

5つ書いた子は黒板に書いていてよい。

できた子を遊ばせない工夫である。学級崩壊はできる子を遊ばせることから起きる場合がある。できた子を遊ばせない工夫を一時間の中で何度も取り入れる。

 

鉛筆を置く。

全員に○を付けたことを一人一人のプリントを見て確かめる。個別評価である。

 

よく書けた。昨日より上手になったと思う子。(多数。)

よし。

 

これを「向上的変容」という。昨日よりも今日,さっきよりも今が少しでも向上していることを自覚させる。

学習はできないことができるようになるという向上を目指して行われる営みである。教師は教えるだけでは駄目だ。できない子がいたら,何度もでさせる。そしてできるようにする。それが責任ある指導である。

 

6 「ぐ」の付く言葉1つを全員に書かせる

次は「ぐ」の付く言葉を書くよ。例えば「ぐり」。(板書)

他の言葉を書いてもよい。わからない子は「ぐり」と書く。「ぐ」が付く言葉を一つ書いたら走らないで持っておいで。

1つ書いたのを評価したら,次は3つ書いておいでと言う。

3つ書いた子は黒板に「ぐ」の付く言葉を書いてよい。

 

7 「目隠し書き道場」で完了だ

鉛筆置く。最後は何。

目隠し道場。

違う。「目隠し書き道場」はい。

「目隠し書き道場」。

書(か)きという言葉の前に言葉が付いたら書(が)きとなることがある。点々が付く。昨日教えた。点々を何と言ったか。

濁点。

賢い。目をつぶって書けたら持っておいで。

はい。

○をもらった子は色鉛筆で塗り絵をしていなさい。

はい。

 

塗り絵をさせただけでも,時間差が埋まらない。速い子は塗り絵を乱雑に終わらせるからである。したがって,塗り絵を指導する必要がある。

塗り絵は先ず,線の上を色鉛筆でなぞらせる。そこからはみ出さないように色を塗る。

このように『平仮名マスターカード』を書いた大谷和明氏に教えて戴いた。塗り絵の方法として正しいかどうかは別にして,時間差を埋めるためには,このように丁寧に塗り絵をさせた方がよい。

全員を評価した。

 

鉛筆を置く。表。

表を昨日どうやった。

空書き,なぞり書き。

鉛筆を持つ手を挙げる。「ぐ」と言いながら指で書く。

ぐ。

正しくは筆順を言いながら「空書き」をさせる。

文字を覚える方法は「掌書き」,「空書き」,「鉛筆書き」である。漢字も同様だが,指で掌に何度も書かせて覚えさせてから鉛筆を持たせる。

この教材では「空書き」「なぞり書き」になっている。

 

一つ書いた子は持っておいで。

 

8 保護者に協力を依頼する

このように『平仮名マスターカード』の使い方を指導した。そして,保護者にこう言って授業を終えた。

保護者の皆様,今日ファイルを持たせます。この『平仮名マスターカード』を御家庭で綴じて下さい。毎日毎日,何枚もさせます。私が全員分を綴じることはできません。したがって御家庭でお願いします。

全員に全部をきちんとさせる時間は有りません。したがって,出来ていない所は更に家庭でさせて下さい。

5月末くらいに平仮名の指導が終わったら,一度集めます。見せて戴きたいからです。それまで御家庭で保管して下さい。お願いします。

こんな話をして授業を終えた。楽しい第1回目の授業参観だった。

 

19日(火) 

激務の一週間 

保護者参観日が水曜日に終了し,木曜日に学級名簿などの学級事務を終わらせて,金曜日を迎えた。金曜日は空知ゼミの第1回学習会である。準備ももちろんだが,その前にたまっている学級事務を終わらせたかった。

模擬授業準備をして例会を迎えた。例会では保護者2名,子ども4名を含めた13名で学び合うことができた。

1年生の子供が1時間も一緒に学んでいた。よく飽きないで座っていた。

 

家庭訪問 

家庭訪問2日目である。家庭訪問はいつも楽しい。子ども達の新たな一面を知ることができるからだ。

1年生の家庭訪問は更に楽しい。子どもが歓迎してくれるからだ。

高学年になるとどこかへ遊びに行っていない。しかし1年生は必ず待っていてくれる。

健康,心配などを保護者に伺う。家庭でどのように学習しているか,机を見せてもらって推測する。

学校では目立たないのに,家では元気にお話をしていたり,学校では緊張してきちんとしているのに,家では親に甘えてだらだらしていたりと新たな一面を見ることができる。

保護者と個人的にお話できるので,保護者の愛情に学ぶことができる。

私はまだ出合ったばかりなので,まだまだ子どもを心の底から愛しているとは言えない。しかし保護者の子どもに対する愛に接すると,保護者の愛情に感化される。そして子どもが心からかわいくなってくる。保護者の力は偉大だ。

うるさく走り回っている子でも,子に対する保護者の愛に触れると,もっと大切にしなくてはいけないと反省する。

先生対25人ではなく,先生対1人の子として接していきたいと家庭訪問で学ぶ。

保護者に家庭訪問前に質問を考えておいてもらう。

 

家庭訪問でのQ&A

「家庭学習は必要ですか。」

必要です。夕食前の10分間くらいを毎日の復習をする時間にしたいものです。今年度は宿題を出すつもりは余りありません。しかし昨日は宿題を出しました。

「数字を練習してくること。」

何人がやってくるのでしょうか。楽しみです。学校で何をしたのかを訪ねてください。

「誰が怒られたの。」

このようなことは尋ねなくてよいです。

「今日のお勉強を1時間目から教えて。」

「今日,先生に注意されたことはないの。」

このように尋ねて戴きたいです。

子どもはすぐに忘れます。だからこそ,しつこく尋ねて覚える習慣を付けさせて下さい。

問題だと思うことがあれば,家庭でも注意して下さい。

私は学校での問題をあまり連絡ノートに書きません。親に告げ口をするようでいやだからです。しかし誰かに怪我をさせたなどの大きな問題のときには連絡します。

できるだけ,我が子から報告を受けて戴きたいですね。

「学級通信は続きますか。」

続けてほしいという意味での御質問でしょう。続けたいと思いますが,飽きたらやめます。けっこう飽きやすい性格です。

「よく覚えていらっしゃいますね。」

授業記録はできれば録音テープを起こして記録したいのです。しかし,それをするとますます時間がかかります。そこで記憶を再生しています。

「なぜ覚えていられるのですか。」

私は授業のためのメモを何枚も書きます。学年の先生方との打ち合わせのときにも,どのように子どもに指導するかを模擬授業しています。こうして話す言葉を厳選して授業に臨んでいます。だから自分が言った内容を思い出せるのです。

しかし大切なのは子どもの発言です。そこで自分の話はメモを見ることにして,子どもの発言を覚えるようにしています。

覚えるようにしなくても,私は子どもの反応から授業を組立てようと努力しているので忘れないものです。

大切な発言を誰が言ったのかを忘れることがあります。これが一番残念です。

私の授業メモを見て,私の発問と子どもの発言を組み合わせます。これで授業を書けます。授業記録も授業を向上させる私の修業です。

「先生は国語で有名なのですね。」

全然有名ではありません。子どもにとって価値ある教師なりたいと勉強し続けているだけです。一人も落ちこぼれの子を出したくない。そのために毎日の授業を楽しく学力を向上させる場にしたいと努力しております。

学力を向上させることには自信があります。しかし,楽しい授業には自信がありません。学力を向上させて,しかも楽しい授業に今年は挑戦していきます。

「今日の授業は楽しかった。」

こうお子さんに尋ねて下さい。楽しかったら,どこが楽しかったのかを連絡ノートで教えて戴けると有難いです。今日の家庭訪問も楽しかった。

「柳谷先生とお話するのが恥ずかしいの。」

こう言って,家庭訪問中ずっと照れている子がいました。全く一年生の担任は幸せです。

 

20日(水) 

一年生の「討論」指導2回目 

 

もぐらは自分の巣に花びらを運ぼうとしている。そうだ,柳谷先生の言う通りだと思う子は○。違う,花びらを巣に運ぼうと思っていないと思う子は×。

18人,×6人だった。(風邪で1名欠席。)

×の子は勇気があるよ。何だかわからないけど,○にしようと思っている子がいる。でも僕は違うと言う子は勇気がある。どちらかが正しい。×の子から意見を言ってよい。

あまりわからなかったようだが,うや君だけ意見を言った。

土竜は蛙の所へも行っているので違うと思います。

では,○の子,〇〇君に意見を言ってよい。

土竜は穴の中にいるので違うと思います。

うや君,どうだ。負けたなと思ったら,負けましたと言う。まだ言いたいことがあったら言う。

負けました。

そうなの。何だ,うや君の意見が正しかったんだよ。

ここでは×が正解だ。土竜が自分の巣に持って行くということは全くわからない。うや君,よく考えたね。

はい,土竜は花びらをみんなあげようと思いました。

お,そう思ったの風ちゃん。では風ちゃんの言うように,土竜は花びらをみんなにあげようと思ったと思う人は○。違うよ,花びらをあげようと思っていないよと思う子は×。

決めた。では○の子,15人。×の子,9人。よし,×の子から意見を言ってよい。

風ちゃんは違うと思います。土竜は見せに行っただけです。

てら君に反対です。なぜなら花びらのおもちゃを蛙にあげようと思ったからです。

蛙は病気なので,花びらを持って行ってあげたのです。

土竜と土竜はけんかをしているんだと思います。

土竜は花びらが大事だから,あげないと思います。

たくさんの意見が出た。

よし,他の人の意見を聞いてもまだ○だと思う子,13人,×だと思う子,11人。お,×の子が増えたね。

答えを教えようと思ったらチャイムが鳴ったので終わった。終わった後にあやさんがこっそり先生に教えてくれたよ。

先生,土竜はみんなに春になったよって教えに行ったんだよね。

1年生の「討論」はすてきだ。

 

ノート指導 

今日は「四月二十日(水)」と1行目に書かせた。きちんと書けていない場合には丸を付けない。時間がかかる子は書き直しもさせていない。毎日のことなので,何日かしたらできるようになるからだ。(ノートを見て,御心配の保護者の方は御家庭でも書かせて下さい。)

 

視写 

初めて視写させた。「もぐらが花びらをはこびます。」

次の2つのことを指導した。

「始めは一ます空ける。」「続くときは上から書く。」

一年生の段落指導だ。これはかなり重要である。

 

算数指導 

一ます空けて「4月20日(水)」と書かせた。これは全員がすぐに書けた。慣れてきた。「一ます空ける。」「一行空ける。」この2つのことを毎時間指導している。

「ノートがきれいな子は賢い子。」

まだきれいではない子も,すぐにきれいになるからがんばることだ。何度も書くとできるようになる。

今日は9と10の書き方を指導した。これで全員に1から10までの書き方を指導した。

4,5,6,7,8,9の筆順,0の書き順を誤っている子がいた。全員を評価し,指導して修正した。(しかし誤っていないかどうか,御家庭でも確かめて下さい。鉛筆の持ち方と同様で,すぐに悪い癖に戻る子がいますので。)

 

音楽 

体面式の練習をした。2時間目で大体完成した。

「体育館でたくさんの人の前で言う自信がある子でじゃんけんをする。」

班から一人ずつ決めた。でももっとやりたい子が多くいたので科白を文節に細かくした。そして10人からじゃんけんで5人に決めた。

先生が決めるより,じゃんけんが公平だ。

「今回負けた子も,運動会や学習発表会での出番がある。次まで待ちなさい。」

「はい。」

最近は返事の声が出るようになってきた。

「返事をする子は賢い子。」

 

家庭訪問 

毎日楽しいお話に出合います。

「柳谷先生が言うように『なにがかくれているのでしょう。これを文と言う。』と何度も家で言っていました。」

「先生の国語の学習会へ行ってみたいです。」

「〇〇さんから先生の授業のお話を伺って楽しみにしています。」

「学級で何かするときにいつでも声を掛けてください。」

「学級通信,楽しく読んでいます。」

有難い励ましが多いです。一昨年前の家庭訪問では何も出さない下さいと通信に書いてから家庭訪問に臨みました。そこで何も手を付けないでいました。今回は事前に書かなかったので,出されるままに手を付けています。

今更ですが,何も出さないで下さい。出されると優柔不断な私はついつい手を付けてしまいます。今まで家庭訪問した皆様,連絡が遅れて失礼しました。

 

プリント点検のお願い 

ノート点検もそうですが,プリントも点検して下さい。

授業中に歩いたりたたいたりする子を注意したり,ノートに書けない子を個別に指導したりとかで全員の評価が手薄になっています。

間違っていても,私が見落としている場合があります。更にゆっくり書いている子は途中をさせていない場合もあります。

『平仮名マスターカード』で,全員に表1回,裏2回の平仮名を書かせて評価しています。しかし言葉の練習は,ゆっくり書いている子にはさせていません。そこまでできていなくても次のプリントへ進ませています。

全員が全部終わるのを待っていると前に進まないからです。

少なくても全員がいくつかの平仮名をきちんと書いていることを評価して進めています。プリントのやり残し,お絵かきのやり残し,私の点検漏れを見付けたら御家庭でさせて下さい。家庭学習にお使い下さい。

1年生は20分くらいの毎日の家庭学習を習慣づけたいものです。よろしくお願いします。

 

21日(木) 

対面式 

1年生は何をしてもかわいい。対面式ではお礼を言う。そして『一年生になったら』を歌う。

大野先生が伴奏をして下さる。みんなの科白もかわいいし,歌もかわいい。

保護者の方で,誰か録画して下さらないかな。録画して下さったら貸してほしい。

そう言えば,入学式や入学式の学級のビデオを撮っていた保護者の方がいらっしゃったら貸してほしい。入学式の写真はCDにした。希望される方がいらっしゃったら,お貸しする。

10日の参観授業や19日の公開授業などのビデオを取る方がいらっしゃったら,ダビングして戴きたい。ビデオを観て反省することができる。

今日の国語はスピーチと読み取りと視写をした。「討論」の続きをした。

もぐらは何をしているのか。

風ちゃんが言った。

みんなを起こしているのです。

あやちゃんが言った。

春になったことを教えているのです。

そうだね。ここから読めることはお便りを運んでいることだ。

これで決着にした。

視写ではかぎを教えた。

「もぐらはおしえています。『はるだよ。』」

3行で書かせた。

 

23日(土) 

授業公開日程 

現在次の日程で授業公開を予定しています。是非,御参加下さい。そして御批評戴けると幸いです。一言でかまいません。どこがよかったのか,どこがよくなかったのかを教えて下さい。お待ちしております。

5月6日(金) 「鍛える国語教室」研究会空知ゼミ学習会,6時30分〜730分,岩見沢市立美園小学校1年2組の教室。第1回目はお子様にも御参加戴きました。

5月10日(火)4時間目1130分〜,保護者会の日です。私が書いた物語で「読むこと」の力を育てる授業をします。1年生の「文節読み」,「討論」を御覧戴きます。

5月19日(木)3時間目1040分〜,教育大生が授業参観に来ます。私が書いた説明文での「文節読み」,「討論」を御覧戴きます。

6月14日(火)3時間目1040分〜,教育大の学生に授業をさせます。説明文の読解指導です。発信型読解指導を予定しています。

10月には岩見沢市立南小学校を小学校部会の会場として北海道国語教育研究大会があります。私は1年生を連れて授業公開をします。是非御一緒に学びませんか。お待ちしております。

 

25日(月)

学習日記 

今日は久し振りに岩見沢駅から学校までバスに乗った。家庭訪問で歩くから,朝は歩かないことにした。7時30分に出勤する。

熱が出て欠席する子の保護者から連絡が入る。対面式に参加できず,残念だ。対面式のビデオ準備,学級通信の印刷依頼,授業プリントを準備していると8時になった。

今年度は出勤してすぐに教室へ行っている。そして英語のCDを流している。そういえば今日は7時40分くらいに〇〇君が登校してきた。一番乗りだ。

8時過ぎに再び教室へ行き,連絡ノートを持って職員室へ行く。

「行ってきます。」

「行ってらっしゃい。」

これが毎朝の日課である。

職員朝会終了後,教室へ行く。誰も立ち歩いていない。

挨拶し,対面式の話をした。そして5分間授業をする。朝,5分間で楽しい授業を心掛けている。今日は6文スピーチを教えた。

「先生の後に繰り返しなさい。みなさん,こんにちは。(繰り返し)私の名前は〇〇〇〇です。(同)これから私の好きな遊びを3つ紹介します。(同)1つ目はサッカーです。(同)2つ目はドッチボールです。(同)3つ目はあやとりです。これで終わり。できる人。」

たくさん手が挙がった。昨日は4人の子に発表させた。毎日4人ずつくらい発表させよう。きちんと話ができる。

1時間目は『平仮名マスターカード』を1枚行って,早めに体育館へ移動させた。『平仮名マスターカード』に慣れてきて,15分くらいで全員が1枚を行うことができるようになった。ただし,じっくり書いている子は「言葉」の所が書けていない。書けていない所は家で書いておこう。

2時間目は対面式だった。1年生が拍手に包まれて入場した。ビデオを撮っている保護者の方が何人もいた。先生も福田先生にビデオを撮って戴いた。

2年生から6年生の出し物がとても楽しかったね。1年生のお礼の挨拶と『1年生になったら』もよかったよ。

「僕,一年生になったんだから,この歌歌いたくない。」

こう言っていた子も歌っていた。校長先生が立派な一年生だと誉めて下さったね。

3時間目は聴力検査だった。検査を待っている間に線を書くプリントをさせた。ついでに一枚宿題を出してみた。宿題を忘れる子がいる。宿題というものがわかっていないのか。

「宿題とは家でする学習。明日,このプリントをやって持っておいでね。」

何人持ってくるか。

4時間目は算数をした。

あやちゃん。

気を付け,これから4時間目の算数を始めます。

始めます。

日付を書いたら持っておいで。

先生の授業の始まりはこれだ。これしか言わない。時間は1分間にした。1分間で日付をノートに書いて持って来る。

25」を一ますに書いていなくて×になった子が多くいた。

一ます空ける。

一行空ける。

これを何度も繰り返し,「1+5=」を全員が書いてからおはじきに移った。

1の上に青いおはじきを1つ置く。

5の上に青いおはじきを5つ置く。

1と5をどうするの。

たす。

そうだ,たすんだ。たすとはどうすること。

合わせること。

準備はいいか。おはじきを合わせるよ。始め。

合わせたら,数える。

6こ。

1+5=

6。

ようし,答えを書いていない子は答えを書いて持って来る。できた子はおはじきで遊んでよい。

2年前の算数指導のときには「+」と黒板に書くと「何それ。」と言われた。今年の一年生は早い時期に足し算を教えた。先生が1年生の指導に慣れた証拠だ。

一行空けて,一ます空けて3+3=と書いて持っておいで。

こう言うだけで,きちんと書くことができるようになった。おはじきを置いて,合わせて楽しんだ。全員合格。

このように一日のことを思い出して,先生のように日記に書くと思い出になるよ。先生は日記を書いている。

 

家庭訪問終了 

りゅう君と一緒に家庭訪問へ行った。児童館へ行くんだったのかな。

「僕のうち,お坊さんがいるんだよ。」

結局,何を言っているのかわからなかった。

えりちゃんは言った。

「先生,もう帰っちゃうの。」

ほんとにかわいい子ども達だ。

外で立って待っていてくれる子,宝物を見せてくれる子,先生がいる間,にこにこずっと笑っていた子などなど楽しい思い出を有難う。

金曜日の家庭訪問も楽しかったね。先生がいる間,熱心にドリルをしていたり,笑顔を見せてくれたりとすてきな場面がたくさんあった。

兄弟で家の中を走り回っているのには驚いた。先生の子どもの頃は狭い家だったので走り回ることなどできなかった。羨ましかったよ。けがをしないかが心配だった。

そういえば昨日,友達の家へ送って行って帰る道がわからなくなった子がいたそうだ。

遊びに行くのはよい。しかし昨日の通信にも書いたけど,一度家に帰ってから,大人に連絡をして貰ってから遊びなさい。迷子になったり怪我をしたりしたらどうする。

このようにみんなのことをまた知ることができた。

 

保護者の皆様,お忙しい中私の計画に合わせて戴き,有難うございました。何と時間変更の希望は2件しかありませんでした。

歩いて回ったので,変更が少なく助かりました。歩いたお蔭で,ずいぶんと通学路の問題を考えることもできました。子どもだけでなく,保護者の皆様にも笑顔で迎えて戴き,有難い家庭訪問でした。

保護者会でまたお会いしましょう。通信もよく読んでくださっている方が多く,感謝致します。

 

 

26日(火) 

原稿依頼 

昨日,『授業研究21』9月号の原稿依頼を戴いた。何とグラビアである。

グラビアの原稿依頼も大好きだ。授業での子供の表情をあれやこれやと構成することができるからだ。2年生の写真は『学級経営』3月号で発表させて戴いた。だから今回は1年生の授業風景でいこう。保護者会で許諾を頂戴する。

 

『平仮名マスターカード』の指導

30分で2枚を行っている。

鉛筆を正しく持っていらっしゃい。「マスターカード」をもらった子は日付と名前を書いている。

全員の鉛筆の持ち方を指導(評価)してから鉛筆を置かせる。

鉛筆を置く。

この指示で行動できない子がいる。言語と行動がつながらない場合がある。先生の話を聴いていないのならまだよいが,先生の話がわからないのなら問題だ。

何度も同じことで注意される子は注意力に問題がある。

「〇〇君と〇〇君,起立。どうぞ。」

誰でも失敗することはある。だから注意する。そして注意されることにより,自分の未熟な部分が削られていく。どうすると削られるのか。

「今度から手を動かしません。」

このように決意させることで自分の弱点を知り,自ら削っていく必要がある。しかしすぐに弱点が削られるわけではない。癖というのは病気のようだから,何度もきちんとできていないことを注意して決意させる。

「先生に注意されるから学校へ行きたくない。」

こう言う子がいる。確かに注意されるのは誰でもいやだ。しかし注意されることで自分の悪い癖を直して貰うことができるという心がないと直らないよ。

給食準備中に騒いでいる子,「鉛筆を置く。」という指示をしたすぐ後に鉛筆をいじっている子,椅子をいじってだらしなく座っている子を最近,注意している。

昨日は学校帰りに友達の家へ行って迷子になった子がいた。

「〇〇ちゃんが先に言った。」

こう言っていたので,2人から話を何度も聞いた。

「私から言いました。」

先生をだます嘘は大嫌いだよ。寄り道をしてはいけない。

 

給食準備,後片付け 

給食準備,後片付けのときに問題が起きる。先週も男子が牛乳を残すのに缶へ入れようとした。ベシャ。こぼしたのに,そのまま立っている。すぐに拭こうとしない。

そこをみさちゃんがすぐにちり紙で拭き出した。感心した。みさちゃんやひなちゃんもよく拭いてくれる。

自分が持っているものをよく見ていない。そしてこぼす。

牛乳を残す子が多い。それを缶へ捨てるときにこぼす子がいる。給食準備,後片付けのときに学級(子ども)の実態が見える。

(しかしかなり上手になってきたので,10日の試食を楽しみにしていていて下さい。20名の方が試食されます。)

 

分団総会 

1年生全員が迷子にならずに各分団の教室へ行った。毎年迷子になる子がいるが,今年はいなかった。

 

かたつむりの線 

昨日で2時間目だ。次回はいよいよ絵を描かせるかな。だいぶゆっくりと線を描くことができるようになった。「先生の顔」を描いて貰おうかな。

 

5月から掃除開始 

今までは3年生が毎日掃除してくれた。給食を吐いてしまったり,こぼしてしまった床をきれいに水ぶきをしてくれていた。5月からは班ごとに掃除指導をする。1班から行おう。

 

 

27日(水) 

もぐらは何をしているのか 

1時間目,教科書2〜3ページを今日こそ終える。もう3時間くらいここで学習している。

 

もぐらは何をしているのかを寺崎君に訊いても覚えていない。もぐらは何をしているのか。もう一度話し合っておく。日付の横を一行空ける。一ます空けてもぐらはと書く。書けたら起立。

ます目の黒板に板書した。日付は授業が始まる前に書いておくことにしている。

音読,はい。「もぐらは」,「は」と書いて「わ」と読む。続けて書く。先生が言う通りに書く。「なにをしているのか。」

きちんと書けていない子もいたが,教えていない平仮名なので書けていなくてもやめさせた。

よし,鉛筆を置く。もぐらは何をしていたのか。

春だよって教えている。

春だよって教えていると思う子は○。違うよって思う子は×。

○多数。×5人。よし,×の意見が大切だよ。×の人起立。意見を言ってよい。

もぐらはおもちゃで遊んでいた。

おもちゃで遊んでいたと思う子○。

○の子。いないの。×の子。そうだよね,花びらはおもちゃではない。自分の意見が間違っているなと思ったら,意見を変えますと言う。まだ反対できたら反対してよい。どうぞ。

○から×に。

違うだろ,竜君は×から○でしょう。

×から○に変えます。

僕は×です。なぜならもぐらは蛙を探しに行ったからです。

反対の人,どうぞ。

私は順君に反対です。もぐらは蛙の所にいます。

蛙は冬眠しているから起こしてあげるのです。

もぐらが蛙の所にいるから探しに行ったのは違うという意見だ。順君,反対なら意見を言う。意見を言えなかったら負けましたと言う。

負けました。

よし素直でよい。しかしもう少し粘れよ。先生は順君の意見に賛成だよ。一匹のもぐらは蛙の所に行ったよね。でも蛙を探しているもぐらもいるんじゃないか。だから順君の意見も正しいと言える。

はい,花びらを見せてあげようとしていました。

春だよって教えるの,花びらをあげるの,見せるのどれなの。

花びらを見せて,春だよって教えるの。

そうなんだ。では,じゃんけんする。勝った人,起立。勝った人は好きな動物になる。負けた人はもぐらになる。国語の教科書はたくさんのお話を作ることができて楽しいでしょう。勝った人は冬眠する。負けた人はもぐらになって起こしてあげる。始め。

楽しそうに劇化が始まった。劇化を授業に取り入れることは少ないが,会話の練習になるので取り入れた。会話という学習用語を指導するのを忘れた。

風ちゃんと結ちゃん,いらっしゃい。みんなに見せてあげなさい。

春ですよ,起きないさ。起きなさい。

もぐらは「どうしたの」と言う。

どうしたの。

春がきましたよ。

拍手。では交替して始め。

楽しそうに劇をしていた。写真を撮るのを忘れていた。

感想発表。

2人くらいがもぐらになって話したのが楽しかったと言っていた。

ついでにお口の体操。47ページを開く。

すぐに読み出す子や開けないで困っている子など様々である。

周りの子が手伝ってあげる。

どのように読むんだっけ。

文節読み。

そうだ,題名から文節読み始め。

なにが かくれて いるのでしょう……。

よしきちんと文節を親指と人差し指で挟む。題名から文節読み,はい。

なにが……。

よし,今のは1年生レベル。3年生レベルになるともっと速くなる。題名から文節読み,はい。

一緒に速く読む。3〜4回音読した。ここの学習ではないので,そんなに音読する必要はない。実はここの学習を学生にさせようと考えている。だから読む練習を事前にさせている。

ほんとに最後。書き写すことを何と言った。

視写。

そうだ,さっきに続ける。一ます空けてもと書く。

「も」だけ板書する。全員が「も」だけを書けるまで待つ。

ぐらがいった。会話を書くときに何を書いた。

かぎ。

寺君が覚えていた。最近注意されることも多いが,実に賢い。賢いから,じっとしていられないのだろう。

そうだ,よく覚えていた。かぎ,はるだよまるこの○のことを正しくは句点という。はい。

句点。

最後にかぎを閉じる。もぐらの会話文を書いたら持っておいで。

始めに4人のスピーチを聴いてから行ったので,35分間の授業だった。

よく話す子達に育ってきた。よしよし。

 

算数

1+1,2+1,3+1,4+1ついでに2+3を終えた。全員がノートに書いた。

 

生活科

30分くらい歩かせた。地図,新聞店,郵便局,道路の渡り方,川の危険などを学習させた。ついでにジャングルジムで遊ばせた。

 

音楽

学年で鍵盤を吹かせた。今日は階名と鍵盤の持ち方を指導した。全員にドレミを吹かせて,評価した。楽しい一日だった。明日は農業高等学校まで歩かせる。

 

 

29(金) 

授業記録 

昨日は国語教科書4−5ページで動作化を行った。

隣の人とじゃんけんをする。勝った子起立。好きな動物を決めたら座る。

子どもはじゃんけんが好きだ。じゃんけんだけで楽しんでいる。

昨日視写したこの文(「はるだよ。」)を何と言うか。

かぎ。

かぎはこれ(「)だ。このようにお話をしている文を何というか。

教えたが,覚えていないようなので板書した。

会話文,はい。

会話文。

お話を書いた文を会話文という。会話をする。じゃんけんで負けた子はもぐらだよ。起こしてあげなさい。始め。

じゃんけんで勝った子は冬眠のふりをする。じゃんけんで負けた子は春が来たことを知らせる。

起きて,起きて。

なあに。

春が来たよ。

交替,始め。

動作化など国語の授業に必要がないと数年前の私は考えていた。しかし楽しい授業技術の一つとして有ってもよいと今は考えている。

もしかすると楽しい授業づくりの大きなヒントが動作化,なりきりに隠されているかもしれない。動作化はなりきりである。

でも,昨日のページとここは違う。大きな違いな何か。

熊がいる。

起きている。

そうだ,昨日のページでは蛙は冬眠していた。ここでは起きている動物ともぐらがお話をしている。もぐらは熊に,熊はもぐらに何とお話しをしているのか。

お見舞いに来たの。

もぐらがお見舞いに来るはずないよ。

もぐらは熊に春になった桜があっちの方で咲いたよって教えている。

あやちゃんの発言だ。驚くべき頭の回転だ。

熊は何て言ってるの。

そうなのって言っている。

何人かに発言させてから,次の動作化に移った。

さっき勝った子は起きている動物になる。負けた子はもぐらになる。始め。

保護者の方が2名参観して下さっていた。どんどん授業参観にいらっしゃって下さい。そしてできれば授業のよい点,よくない点を連絡ノートでお知らせ下さい。

まだまだ私の理想的な授業にはなっていません。もっと多くの発言をもとに授業を創っていきたいと考えています。少なくても一日一度は全員の発言を聞きたい。

このようにお母さんやお父さんと会話しても楽しいでしょう。

会話文の学習をした。学習用語は「会話文」である。国語科でこのように学習用語を指導することが重要だ。

 

2時間目は体育

外で3回徒競走をさせた。

 

3時間目は生活科

岩見沢農業高等学校まで歩いた。急いで歩かせると20分で行けた。一昨年前は30分くらいで歩かせた。保護者の方が一緒だったからである。今回は保護者の方が一緒ではなかったので,急いで歩かせた。

普段より付加をかけるというのが私の指導理念のようだ。だらだらしている子を置いて,さっさと歩かせながらそう思った。みんながさっさと歩いていると,後ろの子も急いで歩くものだ。だらだら歩かせるのでは教育にはならない。

 

4時間目も国語

ノート指導を行った。

一行空けて,一ます空けて「くし」と書いておいで。

この指示で適正に書ける子が多くなった。

ノートに×が付いている子は適正に書けていない子である。何度か同じように書かせて,全員適正にしている。しかし次の日にはすっかり忘れている子がいる。(ノートに×が付いている子は御家庭でも同じ指示で書かせてみて下さい。)

その後,『平仮名マスターカード』を2枚させた。30分間である。

雑に書いている子,かがみ文字を書いている子にやり直しをさせた。ずいぶんとスムーズになった。しかし,30分間で2枚全部をきちんと書けている子は少ない。できていないところは家庭で書くように指導している。全員が全部出来るまで待たない。

給食を楽しく食べて,プリントを配付して別れた。

先生,有難うございました。また来週もよろしくお願いします。さようなら。

この挨拶に廊下にいた3年生やその保護者は驚いていた。

今年の1年生は礼儀正しい。

学年の先生と授業反省を話し合った。

1年生の「討論」の楽しさを味わっている毎日である。他の学年の先生にもそのことを話すと1年団を羨ましがっていた。最強の学年団で最高の授業を提供したい。

「連休を楽しんでください。」

こう保護者の方が連絡ノートに書いて下さっていた。有難い心遣いである。

この連休は仕事の山である。仕事は私にとって楽しいので,確かに楽しむことができる。このように授業感想や御意見なども連絡ノートに書いて下さる有難い保護者に囲まれている。

保護者に信頼される教師を目指したい。