岩見沢市立美園小学校3年3組学級通信

輝き! 10200817(火)柳谷直明発行

1 理科の授業が面白い
 子ども達は面白いかどうかまだ分からないだろう。しかし,この面白さにだんだんと気づくはずだ。理科で討論が出来る。こんな面白いことはない。
 低学年の国語科で討論を指導し,させてきた。全員では無いが,きちんと反論が言えるようになっている。討論は一つの学習方法である。国語だけでなく,理科や社会科でももちろん使いたい学習方法だ。その討論を理科で使っている。
 国語科で1つの言語活動がきちんと身に付けば,国語科以外でも使えると証明をしてくれている。先生の考えを見事に現実にしてくれる。やはり,ものすごい子ども達である。

 自分の考えを書けない子は多い。
「自分の考えを書く。」
「分かりません。」
「分かりませんと言ってしまっては,考えが浮かぶはずがない。分かりませんと言わずに考える。」


 こんな調子で授業をしている。
 書けないならば,毎時間の理科の授業で何か1つ自分の考えを書かせる。するとだんだん書けるようになるだろう。
 なぜ理科か。理科では,仮説を立てて実験や観察を進めるからである。こうなるのではないかな。だったらこんな実験をしてみようかな。
 「こうなるのではないかな。」という仮説がなければ,実験や観察に進めない。仮説を立てなくても,身の周りの現象から何かを発見する場合がある。それはそれで大切だ。しかし,身の周りの現象に何かを発見しても,その次には仮説を立てて実験や観察を進めるだろう。これが一つの科学的な研究方法である。
 自分の考えを持たせるということは,仮説を持たせる訓練になる。そして,討論で考えを深めさせる。このような授業が3年生で成立している。ものすごく楽しい。

昨日はこうだった。

 今日は太陽の動きの学習だ。(「太陽の動き」と板書する。)
 太陽の動きを学習するために,水曜日にこれで観察する。(一人一人に観察させるための割り箸を刺した物を作らせた。)
「これ(作った物)は何に使うのか。」
「影の動きを見る。
 「影が動く。」(板書)
「なぜ,影が動くのか。」
 こう板書し,発問した。そして,仮説(自分の考え)を全員に書かせた。
 2名が最後まで書かなかった。仕方ないから,先に進めた。(これでは全員参加ではないので,本当はよくない。そのうち書くようになるだろう。)
 作業時間は3分間くらいだった。この時間をもっと短縮したい。(野口先生は,作業時間は1〜2分間とおっしゃる。」
 作業中,教師は机間巡視をする。そして,子どもの記述をしっかり読む。これで一人一人の子の実態を知ることができる。

「なみちゃん起立。自分の考えを発表する。」
「人が動くから影が動きます。」
「なみちゃんの考えに○か×かを付ける。」

「○の人。」

○が16人いた。

「×の人。」

11人だった。討論では,少数意見を大切にする。したがって,×から発言させた。
「×の人,いいよ。」
「○の人に反対です。なぜなら,今は人の話ではないからです。」
「ひかちゃんに反対です。人が動くと影が動きます。だから,ひかちゃんは変です。」
「ひかちゃんに反対です。人だから動くのですよ。建物の影は動きますか。」

 ひかちゃんは,上手く反論できないでいた。すると,つき君が言った。
「建物の影も動きます。なぜなら,太陽が動くからです。」
 みんな,静まった。
「すごいね。その通りだ。先生がこの時間の始めに何と書いたか。」
「『太陽の動き』です。」
「そうだ。今日は『太陽の動き』の学習をしている。だから,人の影の話は間違いだ。『太陽』と自分の考えに書いていた子が正解だ。」
「やったー!」
 6人が合っていた。
 このように,誰かが間違ってくれるお蔭で,みんなの考えが深まる。みんなが正解ならば,勉強する必要は無い。誰かが間違うから,勉強する必要がある。そして,その間違いのお蔭で,正解の子も,どうして正解なのかを考えるから考えが深まる。間違いは有難いのだ。
 討論すると,間違った子も正解だった子も考えが深まって向上的変容するのだ。討論ができる3年生は,全国的にも少ない。

 なみちゃんの間違えで,みんなが向上的変容した。なみちゃん,偉いよ。
 つき君の発言が昨日は光っていた。よく発言したね。

それにしても,「なぜ,影ができるのか。」と先生が問いを出したときに,黒板の左上に「太陽の動き」とあるのだから,それに気づくとすぐに分かりそうなものである。そこに気づかないところが,子ども達のかわいいところだ。

岩見沢市立美園小学校3年3組学級通信

輝き! 11200817(火)柳谷直明発行

 2 楽しい家庭訪問1日目
 今日は5件を訪問させて戴きました。有難うございました。
 誰と遊んでいるのかな。通学路に問題はないかな。こんなことが気になっています。

新しい学級になったのですから,新しい友達を作らせたいです。思い切って声を掛けさせましょう。保護者の協力もよろしくお願いします。

危険なので,保護者がいない家では遊ばせたくないです。したがって,保護者がいるお宅で遊ばせたり,外で待ち合わせて遊ばせたりさせたいです。
 家庭学習の話題が有りました。学校で一度,指導します。後は,よくできた家庭学習を紹介していきます。それらを参考にして下さい。

家庭学習は通信に全員分載られないかもしれません。家庭学習を子どもの作品として掲載するのが目的ではなく,みんなの家庭学習の参考にさせるのが目的だからです。

よくできた家庭学習を他の子に役立てるのを目的として掲載します。参考にして下さい。

電子辞書のお尋ねがありました。子どもからも尋ねられています。来週の学年通信で書こうと考えていました。基本的には,持って来てよくなりました。しかし,全て自己責任でお願いします。無くしても壊しても,学校では一切責任を負えません。だから,心配な方は,持って来させないで下さい。壊しても無くしてもかまわないという方で持っている方は持たせてもかまいません。
 買おうと思っているですが,どのようなものが良いですか。このようなお尋ねもありました。電子辞書を使う今の目的は漢字を調べさせるものです。作文や新聞を書く際,国語辞典を引いて漢字を調べるより,電子辞書の方がすぐに調べられます。そして,何度も同じ漢字を調べているうちに,自然と覚えるのです。漢字を覚えさせるだけでなく,漢字で言葉を覚えるのです。簡単な国語辞典が入っている物で,ローマ字入力の物が安価であると思います。 今はそれで十分です。
 中学生や高校生まで使わせたいという方は,広辞苑や漢字源が入っているものが良いでしょう。そのような高い物を購入される予定の方は,もう少し待って下さい。学校向けのモデルが市販されます。最新モデルですが,少し安いです。

5月くらいに散らしが来ます。その散らしを見た上で,何を購入されるかを判断されるとよいでしょう。電子辞書の購入を薦めているわけでは有りません。もしも一番高価なものを購入される予定ならば,もう少し時期をずらすと値段が下がるというお知らせです。

 5月の学年保護者会では,このようなお話の外に,低学年と中学年の国語テストの違いとか,中学年では低学年からどのように学力を系統化させるかという具体的な学習内容をお話しします。

是非,保護者会,授業参観,国語学習会へお越し下さい。私の指導方法を保護者も身に付けて,家庭教育の参考になさって下さい。お待ちしています。