国語科学習指導案

『おぼえていろよ おおきな木』(佐野洋子作,講談社,1992年)の鑑賞指導

平成23年4月27日(木)1135分〜1220,釧路市立芦野小2年生教室

児童 釧路市立芦野小2年3組30,授業者 柳谷直明

本時(1/1)の指導事項を具体的に把握する。

(1)指導事項――次の学習用語を指導し,行為化させる。――

言語活動1 音読

音読を適正にするための学習用語。@大小,A緩急,B強弱。

言語活動2 鑑賞

鑑賞を適正にするための学習用語。@場面「時,場所,人物」A問いの言葉「いつか。どこか。誰か。」B事件「木を切ったこと(展開),自らの悪に気づいたこと(結末)」C心「腹立たしい,忌々しい,苦々しい,怒り,寂しい,悲しい,善悪,成長」D論破「反対,なぜなら―だから」E主題「自分の悪に気づいたおじさんの善への成長」

(2) 指導事項の配列

時配

子どもの言語活動

教師の指導事項(太字が学習用語)

備考

15

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

30

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1 音読

・1つの音読方法を学ぶと知る。先生によって指導が違うことを知る。

・見えない心も分かると知る。

・物語では,見えない心を読むのが楽しみだと知る。

・「おぼえていろよ。」を急,強で読むと知る。

・題名は大,作者名は小で読むと知る。

 

2 鑑賞

・おじさんが木に対して,腹立たしく思っていた理由を知る。

・自分もおじさんのように嫌になるだろうと想像する。

・だから,嫌だった木を切って善かったと考える。

・泣いた理由を考える。

・木を切ったのは悪だったと気づいたと知る。

・善の言葉を使うと学ぶ。

 

 3評価

 作品や自分を評価する。

1 音読

人間は,大きく2つに分かれる。体と心。見えるのは体,見えないのは心。

心は見えない。だから,人の心は分からない。○/ 心は見えない。でも,見える体から少しは分かる。×

「かたを すくめました。」

「けとばしながら いいました。」

腹立たしい,いまいましい,苦々しいという心が分かる。おじさんは怒っている。

見えない心を読むのが物語の楽しさ。

緩急の急,強弱の強で読む。

題名と作者名で大小を指導する。

 

2 鑑賞

「ねむって いられません」

「ことりのふん」

「パリッと かわきません。」

「なんびきも けむしが」

「あかいみを ぬすみに」

「はっぱが おちました。」

「ゆきが ドタッと」

これだけの嫌なことが起きた。だから,木を切るという事件が起きた。切って善かったよ。○か×かを問う。

論破を指導する。「〜に反対です。なぜなら―だからです。」そして読みを深めさせる。

 

3 評価

よかった点,がんばった点を表現させる。

・時間厳守。

・導入不要。

「おぼえていろよ」は「おぼえ」(動詞連用形),「て」(接続助詞),「いろ」(動詞命令形),「よ」(終助詞)で,出来ている。

・未習漢字も板書して読ませる。学力形成。

・場面「時,場所,人物」も指導する。時はいつか。場所はどこか。主人公は誰か。ノートに書かせる。

・論破の定型を指導し,反論させる。

・善悪,成長,主題を指導する。

・授業を評価させる。

(3)指導評価 学習用語を行為化した音読をさせたか。鑑賞させるために読みを深めさせたか。